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切符収集記&登山行記

切符収集記&登山行記

立山へ

立山へ

旅行期間:平成15年9月23日~24日
訪問標的:富山地方鉄道、黒部峡谷鉄道、立山開発鉄道

【プロローグ】

今年の7月、8月は忙しく夏休みもお預けで9月を迎え、ようやく仕事も一段落しました。そこで夏休みを申請したわけですが、嫁さんから「せっかくだからどこかへ行ってきたら」との神の一声。最初は北海道か九州に行こうかと考えていたのですが、うじうじ迷っているうちに時期が迫り、九州へ行くには準備期間が足りなくなってきて前日の晩にやっとこさ「立山にしよう」と決まったのでした。2年前に他掲示板さんで、立山黒部アルペンルートの天狗平に硬券があるという情報が載っていたのが記憶にあり、今もあるかどうか若干不安は残りますが、富山地鉄だけでなく、アルペンルートにも踏み入れようというプランで決めました。

【1日目】

あまりにもぎりぎりに計画をたてたので列車で行くこともできず、車での行程となります。ホテルは出発直前に魚津泊で予約、地元の本屋で立山方面のガイドブックを購入して出発です。休みの日ですが、名神、北陸道ともに混雑もなくスムーズに進みます。富山県内に入ったのは15時頃で、「黒部峡谷鉄道の宇奈月発最終は16時前だから窓口開いてる時間に間に合うか不安だ。ホテルにチェックインしてから富山駅で硬券を先に買おう」ということで、先にホテルを目指すことにしました。
魚津駅前のホテルにチェックイン後、JRで富山駅を目指します。クロスシートが並んだ急行型車両で、もうちょっと乗っていたいなあと思っているうちに富山着。隣接した富山地方鉄道の駅へ向かい、窓口で「切符を集めているので、アルペンルートの硬券が欲しいんですけど」と申し出ると、「美女平がいちばん安いですよ」との係員の弁。往復もあるそうですが私の財力ではいかんともしがたいので、硬券入場券と美女平大人片道を購入して窓口をあとにします。
特に下調べもしていないのですが、せっかく来たのだからということで、富山駅前をふらふらとしてみます。路面電車が走っていたり市役所の建物が立派だなと感心したり城郭らしきものを眺めて、そぞろ散策した後、魚津へ戻ることにします。18時過ぎの糸魚川ゆきは休日のせいかガラガラで、ボックス席を占領してなかなか快適でした。この日はさっさと寝るつもりが、TVでやっていたピンポンとかいう映画をついつい最後まで見てしまい、いつもどおりのおそーい就寝となります。

【2日目】

5時起床。立山からのケーブルカーは初発便に乗りたいので早起きの行程となります。今日は立山まで車で移動し、立山→美女平→室堂と公共交通機関で移動し、室堂~天狗平は徒歩で移動。その後、来た道を帰り立山からは宇奈月温泉に寄って帰宅というルートを予定しています。
立山には6時50分に到着。7時ちょうど発のケーブルカーはもう満員で乗れないかと窓口でおそるおそる聞いてみると「大丈夫ですよ」とのこと。ホッと一安心で車内の人となり、美女平からはバスに乗換えです。バス発車までの待ち時間に、土産もの屋の奥の展望台から外を見てみると、すでにけっこう高い地点にいることがわかります。
だいぶ高いところに来たと思っていたら、美女平からのバスはまだまだとばかりに登りに挑んでいきます。きつい坂にきついカーブ。普通車でもけっこうきつそうです。道はけっこう厳しいですが、まわりの風景はまさにアルプスといった感じで、平地とはだいぶ異なります。
途中、天狗平を通過していったのですが、バス停そばには切符販売所らしき小屋もなく不安が頭をよぎります。もう切符は売っていないのだろうか・・・。
8時過ぎに室堂着。ホテル、土産もの屋、食堂などがありルートの拠点といった趣きです。他のお客さんたちはアルペンルートを先に進む人が多いように見受けられましたが、私は独り天狗平を目指して高原の中をとぼとぼと歩いていきます。散策路が整備されているので、山々を仰ぎながら気持ちよく歩いていけます。本当にアルプスといった感じで、ハイジが出てきそうです。ところで、ガイドブックには室堂から天狗平へ散策していくコースが「所要2時間半」となっていたのですが、30分ほどで天狗平に着いてしまいました。どうやらガイドブックは、周辺の池とかもコースに織り込んでいたようで、直行した私はそれほど時間がかからずに着いてしまったようです。
で、着いたのはよいのですが、切符売場が見当たりません。バス停横の山荘で聞いてみようとドアを開けると、バス乗車券売場を示す文字が・・・。「硬券あります?」と聞いてみると「あ、マニアの方ね」と言われてしまい、同好の士の多さが伺えます。ここの情報は2年ほど前に他の掲示板で見させてもらったのを頼りに訪問していたので、ホッとします。こちらの硬券は他交通機関への連絡のみならず近隣バス停の券も設備されており、いろいろ買い込んでしまいました。
さて、これで今日の用事は宇奈月で硬券を買うことのみとなりました。時間もまだ早いので一度室堂まで戻ります。室堂ではちょうど郵便局が店開きをしたところなので、実家へ風景印を押した郵便を出しておきます。と、用事をそそくさと済ませたのですが、まだ9時半過ぎ。予想していたよりも順調に進んでいるので、雄山(立山)に登ろうか・・・。スニーカーにジーパン履きと若干の不安はあるのですが、雨もまだ降ってきていませんし行けそうな気がしてきました。よし、登るぞ!ということで、「雄山→」の標識を追いながら登山を開始しました。観光客が周りに少なくなってくると、ぼちぼち登り坂になってきます。道は舗装されているというか石を組んで整備してあるのか、濡れるとすべりやすいだろうなあとは思うものの歩きやすい道です。少しずつ高度を稼ぎ、後ろを振り返ると谷を遠望でき本当にハイジが・・・。
整備された道は歩きやすく運動不足の身にはこたえたものの、小屋やトイレが置かれた一の越というところに着きます。天候が悪かったらここで引き返すつもりをしていたのですが、小休止の後、続行することにします。
さっきから気になっていた、というか当たり前のことですが、すれ違う人たちは皆、登山靴を履き、服も登山者らしきものを着けていますが、私はと言えば、先ほど記しましたようにスニーカーにジーパン履きです。この後、不安が的中というか反省させられるというか、今度は登山靴を買ってくるぞとの思いを強くさせられます。
一の越からは急に道の雰囲気が変わり岩がゴロゴロした「岩山」という感じの道になりました。岩の中に足場を探り前へ進むのですが、ガスが出始めるは、風はびゅうびゅう吹くはで己の軽装備が恥ずかしくなってきます。おまけに単独行なので非常に心細くなってきたりします。
岩を下へ転がさぬよう注意しいしい登り続け、11時にようやく頂上へ。大山のときもそうでしたが、途中で「もうダメだ」と何度も思いましたが、たどり着きました。いちばんてっぺんの社に礼を捧げた後おそるおそる下を見下ろすと黒部ダムなのでしょうか、湖が小さく見えます。峰は切り立ったイメージで、風に吹きっさらしになっています。この後、もう一度下を見ようと思ったのですが、ガスが濃くなりまったく眺望が得られませんでした。
帰りはラクちんで、雨もぱらついてきたので、とっとと下山します。
室堂に下りてくると自分は別世界にいたんだという訳のわからない優越感が胸をひたひとと浸します。帰りのバスも乗客が多かったため、続行便が出たりでうまく立山まで戻れました。登山の話が多くなってしまいましたが、ここからは駐車場に置いておいた車を駆り一路、宇奈月を目指します。
朝来た道を途中までトレースするかたちで、黒部ICを経由して宇奈月へ到着。立山のように無料駐車場がなく「900円」の案内がある駅横の有料駐車場へ車をおいて切符を買いに出ます。ちょっと用事をたすだけなのにもったいないなあ、と思っていたのですが、実は時間制だったりでさほどの出費でなく済みました。
最終列車の出発まで30分ほどだった黒部峡谷鉄道を優先します。ここの駅員さんは収集家慣れしてらっしゃる様子で、てきぱきと購入が進みます。片道券は行き先により地色が違うようでしたが、きりがないので片道券や最安区間だけで抑えました。
続いて、黒部峡谷鉄道の車両を横目に富山地鉄の駅へ向かいます。赤茶色の機関車につながれた小さな列車が停車しており、「乗りたい」と思うもののこれに乗ってしまうと帰宅がだいぶ遅くなります。残念。今度はゆっくり観光で来たいものです。
富山地鉄の駅では、入場券とJR連絡高岡までを購入。券箱に「室堂」の文字も見え、アルペンルート硬券の存在がうかがわれ非常に購入意欲をそそられたのですがやめておきました。今から思うと無理してでも買っておいたらよかったかな・・・。その後、公衆浴場でさっぱりしてから自宅へ向かい出立。道路はガラガラだったもののえらい雨で、途中事故している車を見たりしながら家へ向かったのでした。
<おしまい>



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